経済産業省による特定サービス産業動向統計調査データについて久しぶりにレポートする。今回は1月20日に発表された11月分確報データから。
「パチンコホール」については業界関係者であれば肌感覚やホールコンデータが物語っている通り、全体的には厳しい状況が続いている。「高速出玉系319Pミドル」を中心によりも賑わいのあった2021年だが、特定サービス産業動向統計調査データを見る限りは、コロナ禍が業界の縮小トレンドを後押しした印象を受ける。
そのような状況の中で、活気を見せているのはこれまでにもレポートした通り、「ゴルフ練習場」である。1ヶ月の利用者が200万人を超える月が年間7ヶ月以上存在するのは、(データが公開されている2000年から数えて)2021年が初めてのことであり、これまでにない活況を見せている。これに呼応するように「ゴルフ場」の利用者数も堅調に推移。冬期には例年落ち込みを見せるが年間を通じてなだらかな上昇傾向を示している。
振り返れば、コロナ禍以前、ゴルフ練習場は2009年に利用者数23,771,220人を記録して以来、2018年には19,180,742人まで約20%減少。ゴルファーの高齢化と若年層の新規参加が進まないという状況の中、多くの人がゴルフ業界の衰退を危惧し、現在のパチンコ業界と似通った雰囲気を漂わせていた。しかし、2019年8月に渋野日向子選手がAIG全英女子オープンで優勝し、ゴルフが国民的注目度を高めるようになるなど、ゴルフ業界には「追い風」があったのは事実だ。「シブコ」の活躍に業界の復活を期待したゴルフ関係者も多かったことだろう。
ただ、周知の通り、2020年2月には横浜港に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」において新型コロナウイルスの集団感染が発生。その後、いわゆる「コロナ禍」に日本は突入することとなった。「県をまたぐ往来の自粛」や「大規模商業施設の営業自粛」が要請される中、ゴルフ練習場は比較的営業の自由度が高かった部類に属するとはいえ、1回目の緊急事態宣言(2020年5月25日に全国で解除)が発出されると一時的に利用者は大きく落ち込んだ。しかしながら、同年7月頃から月間200万人近い利用者を記録するようになる。
その後、2回目の緊急事態宣言が2021年1月に発出されることになるが、ここからは営業自粛要請の中心が飲食店・バー・カラオケ店にシフト。ゴルフ練習場はさらに利用者にとって安心して利用できる身近なスポーツ施設(あるいは娯楽)として、その利用者が徐々に増加。繰り返される緊急事態宣言の発出の中、2021年11月までの実績ですでに利用者は2020年合計を約20万人も上回っている。
コロナ禍において再び活気を取り戻しているゴルフ練習場は幸運だったということができるが、ただ、それとてゴルフに魅力がなければ実現しなかったことだろう。僅かな追い風を捉えて、ゴルフクラブやウエアなどのメーカーによる努力と、さらにお笑い芸人によるゴルフブーム(ゴルフ系YouTubeコンテンツの増加)などもこれを大きく後押ししたに違いない。ゴルフ業界(特にゴルフ練習場)の現在の活況をコロナ禍前に断言した専門家の話は皆無と言っても過言ではないだけに、この復活劇はあらゆるレジャー産業が注目するに値するものと考えられる。
ゴルフ場 グラフ