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【寄稿】「ギャンブル好き」な人たちの考察(月刊シークエンス2025年1月号)

 今回のレポートは、世の中に存在する「ギャンブル好き」な人たちにフォーカスしたものとなっている。そもそも、世代毎にどれくらいのギャンブル好きがいるのか、世代間比率はどうなっているのかという点を踏まえた上で、仮に勝負に負けた時、その負けをどのようにして取り返したいと考えているかなど、「ギャンブル好き」の人々の心理にアプローチして、射幸性のある娯楽であるぱちんこ業界における参考データをアウトプットするのが今回の狙い。例によってワールド・ワイズ・ジャパンの独自調査データをご紹介しながらレポートする。

若年層のギャンブル離れ?・・・実際には「ギャンブル好き」の比率は高齢層よりも高い

 今回の調査は2024年12月19日、 20代〜60代の男性に対して各世代500名(合計3000名)に対してインターネットアンケー トにより実施した。事前抽出アンケートにおける設問は「あなたはギャンブル(賭け事) が好きですか」というもの。回答選択肢は次の通りとした。
①好き 
②どちらかというと好き 
③どちらかというと嫌い 
④嫌い
 回答結果は図表1の通りとなった。年代間で比較すると「嫌い」「どちらかというと嫌い」の合計は、20代で70.0%を占めトップとなっ ており、これが50代の60.4%に向けて年代毎に減少するというトレンドを示す結果となった。若年層のギャンブル離れを表すデータと言えるのだが、見落とせないのは「好き」を選び、自身を明確にギャンブル好きであると回答し た人たちの年代別比率だ。その比率は30代の15.5%を筆頭に、20代の13.3%が続くという状況にあり、意外にもその比率は若年層において僅かに高い。従って、「若年層はギャンブルを好まない」と言い切るには少々違和感を覚える状況となっていることをまずはご報告しておきたい。

「ギャンブル好き」の〝負け〞との向き合い方 〜20 代は「その日のうちに取り返したい」傾向が顕著〜

 次に、事前調査によって「ギャンブル好き」と回答した人(605名)を対象に本調査として2問の追加アンケートを実施した。まず1つめは「あなたはギャンブルに負けた時、その負けをいつ取り返そうとしますか」というもの。回答選択肢は次の通り。
①その日のうちになんとかして取り返そうと思う
②その日は運が無かったと思って諦める
 調査対象とした605人のうち、本調査参加者は501人。回答結果が図表2の通り。「何らかの方法 でその日のうちに取り返したいと思う」が 55 .7%と過半数を占め、 残る44.3%が「その日は運が無かったと思って諦める」と回答。「ギャンブル好き」な人たちは、その日のうちに負けを取り返したいと考える傾向がやや強いことが確認できた。興味深いのはこれを年代別で見たところ、この傾向は20代において最も強く出ており、30代・40代においても全体平均を上回った。一方、50代以上では、その日の負けを受け入れて、その日は退散するという傾向が鮮明になっている。

〝負け〞を受け入れる人たちは「次の勝負」を急がない傾向が鮮明  

 最後に、設問2で「その日は運がなかったと諦める」と回答した人たちに対して、その後の勝負へのアプローチについて問いかけた。設問は「運が無かったと諦めた後、あなたは次のどの行動を取ることが多いですか?」。回答選択肢は次の通り。
①できるだけ早い機会にもう一度 勝負する
②再び勝負するが、急いで勝負に出向くことはない
③負けた後は、意図的にしばらく間を開ける様にしている
 回答結果は図表3にまとめた。年代別集計を行うと一部のセグメ ントでサンプル数が30を下回り、精度に問題が生じると判断し、ここでは全体集計のみご紹介しておく。ご覧いただくと「運が無かったと諦める人」のその後の行動は、「再び勝負するが、急いで勝負に出向くことはない」が59.9%となっており、残りの2つの行動を圧倒する結果となった。負けを受け入れて諦めることができる人の大半が、しっかりと割り切った上で、また次の機会に運命を委ねるということができているようだ。
 また、「負けた後は、意図的にしばらく間を開けるようにしている」が24.3%を占め、負けを急いで取り返そうとしていない様子が全体から窺える。

 ギャンブルには「勝敗」が付きもの。ギャンブル好きの人たちがこれに対してどのような感覚を有しているのか、どのような行動を示すのかという点についての考察だったが、調査結果はギャンブルへの参加頻度や参加サイクルを考える上で参考にできそうだ。

*本稿は月刊シークエンス2025年1月号に寄稿したものを一部加筆修正したものです。

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