8月8日週はこの夏の話題機種「Pフィーバー機動戦士ガンダムSEED S」(以下「ガンダムSEED」)の稼働初週となったが、早速、初週の遊ばれ方ついて本サイト独自の視点から解説しておく。
例によってSUNTAC社のTYRSEM「客数データ」をベースにするが、今回から「平均遊技人数」と「平均遊技時間」を独自に集計・図式化した「客数データマップ」を利用して説明したい。
<客数データマップについて>
「客数データマップ」は、縦軸を「平均遊技人数」、横軸を「平均遊技時間」とし、対象機種の登場週から4週目までのデータをプロットしたもの。プロットされたデータは登場週から4週目までの動きを捉えやすいように線で結んでいる。基本的には「平均遊技人数」と「平均遊技時間」の双方の値が大きい機種が成績の良い機種となる。
図表1は、2023年にリリースされたパチンコ・ハイミドル機ならびに同カテゴリでの大ヒット機種となった「P新世紀エヴァンゲリオン15 未来への咆哮」(以下「エヴァ15」)、「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.M08」(以下「リゼロ」)をプロットしたものとなっている。
図表1を確認すると、多くのハイミドル機がセクター2を起点として、4週目にはセクター3へ移行している様子が確認できる。
一方、「エヴァ15」「リゼロ」の両機は登場週から4週目まで最上位であるセクター1の範囲内に位置付いており、一般的なハイミドル機とは明らかに異なる遊ばれ方をしていることが理解できる。
(補足)セクターの区分
・セクター1:平均遊技人数>=7人、平均遊技時間>=50分
・セクター2:平均遊技人数>=7人、平均遊技時間>=20分
・セクター3:平均遊技人数<7人、平均遊技時間<50分
・セクター4:平均遊技人数<7人、平均遊技時間>=50分:該当なし
<「ガンダムSEED」の登場週はどうなっているのか>
「客数データマップ」上、「ガンダムSEED」の登場週データはどこに位置しているかについては、図表1内に★印で示している。具体的には「平均遊技人数」=9.0人、「平均遊技時間」=56.3分。登場週の「平均遊技人数」としては「エヴァ15」よりも0.9人多く、「リゼロ」と同じ。「平均遊技時間」は「エヴァ15」よりも14.1分少なく、「リゼロ」よりも8.6分少ないというのが遊ばれ方の違いということになっている。
登場週の平均アウトだけを見れば絶好調のスタートダッシュとなった感のある「ガンダムSEED」だが、「平均遊技人数」という点では人気2機種に引けを取らない印象を受けるが、「平均遊技時間」がやや短いという点は押さえておきたいところとなる。
ただ、「エヴァ15」「リゼロ」以外のハイミドル機と比較すると、圧倒的に良いポジションからスタートしていることは間違いなく、現段階においては2023年のトップとなる可能性が極めて高いデータとなっている。
<次週以降について>
次週以降の「ガンダムSEED」の動きを予測する上では、ヒット機種の「客数データマップ」における動きの理解を済ませておきたい。
現在のところ、高い人気を維持する機種は、(1)できるだけ長くセクター1(またはセクター2)に存在し続けている(2)「平均遊技人数」「平均遊技時間」の各データの急激な減少が起きていない、という2つの特徴がある。例えば「P大海物語5MTE2」は実は登場週からセクター2に位置している。しかしながら、登場週のポジションと4週目のポジションが極めて近く、「平均遊技人数」も「平均遊技時間」もそれほど減少していない。このような機種も長い目で見れば人気機種と位置付けることができるため、単純に登場週のポジションが良いというだけでは正しい稼働予測は行えないことも補足しておきたい。
これらを加味すると、「ガンダムSEED」の2週目は、近畿地方においては台風7号の影響が出たかもしれないが、夏季休暇(お盆休み)期間という追い風もあり、セクター1に位置して終えることができるのではないかと見ている。勝負は8月22日週。「平均遊技時間」が大幅に短くなるようなことがないことを願いたい。
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(データ提供)株式会社SUNTAC システム横断型統計サービス TRYSEM https://suntac.jp/