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URAZUKE-Report 調査報告:年末年始休暇中の20代〜60代男性の余暇行動(旅行等を除く)としてのパチンコ・パチスロ

年末年始休暇中の20代〜60代男性の余暇行動(旅行等を除く)としてのパチンコ・パチスロ

2022.12.2 株式会社ワールド・ワイズ・ジャパン 市場調査部

 

 年末年始の大型連休期間中においては、パチンコホールを含む娯楽施設や商業施設が賑わいを見せる。しかしながら、特にパチンコホールに注目すると、近年の遊技参加人口の減少という背景の中で、大型連休中であっても過去のような盛り上がりが感じられないホールもある。
 果たして、「年末年始休暇」という大型連休を、国民はどのように過ごそうと考えているのだろうか。その意識の中に「ぱちんこ」という娯楽はどの程度の存在感になっているのだろうか。
 今回は、20代〜60代の男性にフォーカスして、(旅行等に行かなかった場合の)年末年始休暇中の余暇行動について確認した。

<旅行に行かない場合=”巣篭もり”傾向が強い>

 設問は「次の年末年始休暇に(旅行等に行かない場合)、あなたは何をして過ごしますか。選択肢の中からあてはまるものをすべてお選びください(複数選択可能)」とした。回答選択肢には「パチンコ・パチスロ」を含む12の行動と「あてはまるものがない」を用意した。
 全体集計結果は、文末に図表1として掲載しているが、これを見ると「自宅でテレビや映画を見る」が選択率55.9%で他の選択肢を大きく引き離してトップとなっており、“巣篭もり”の傾向が強いことが確認できる。次に選択比率が高かったのは「あてはまるものがない」の22.8%だが、これは一般世帯による「遊園地・テーマパーク」などを意味しているものと推測される。近年増加し続けている単身世帯(単独世帯)では、のんびりと”巣篭もり”を楽しむという傾向にあるようだ。


<”巣篭もり”傾向は高齢化するにつれて顕著に>

 この“巣篭もり”傾向は、高齢化するにつれて顕著になっている(図表2参照)。20代男性では38.5%、30代では44.0%、40代では56.0%となっており、60代に至っては実に71.5%が「自宅でテレビや映画を見る」を選択している。
 この結果から、パチンコホールにおいて年末年始休暇期間中に新たな高齢層プレイヤーを新規発掘、あるいはスリープ層の呼び戻しを目論んだとしても、思うような成果に繋がりにくい状況となっていることが分かる。これらの層の再発掘を狙うのであれば、むしろ日常の生活行動中のタイミングを捉えたアプローチにメリットがあるように感じられる。

<「パチンコ・パチスロ」は、「ゴルフ」「カラオケ」「麻雀」以上だが、「スーパー銭湯」以下の選択状況>

 図表1の全体集計結果に話を戻すが、次の年末年始休暇中の余暇行動として「パチンコ・パチスロ」は「ゴルフ・打ちっぱなし」「カラオケ」「麻雀」よりも選択率は高いが、「スーパー銭湯」「映画館での映画鑑賞」よりも低い。これらの選択肢の中で「カラオケ」「麻雀」は一般的に単独(1人)で興じるものではないと解釈できるため、比較をする上では参考程度にとどめたいが、単独の参加が可能な「スーパー銭湯」「映画館での映画鑑賞」と比較して2〜3ポイント低くなっている点に注目したい。パチンコホール、スーパー銭湯、映画館のいずれの娯楽施設も、コンビニエンスストアのように身近に存在するものではないため、意図を持った外出が前提となるという点で共通しており、その中において、「パチンコ・パチスロ」は僅かに選択率で遅れをとっていることになる。

<なぜか30代の選択率が低い「パチンコ・パチスロ」>

 図表2を用いて、「パチンコ・パチスロ」の選択状況を年代別で確認してみると、年代と選択率の間の相関関係は感じられず、なぜか30代における選択率が他の年代よりも低いことが目に付く。原因は本件調査だけでは明らかにならないが、同じく図表2からは「テレビゲーム、ソーシャルゲーム」の年代別選択率において30代が他の年代を大きく凌いでいることから、30代男性の「パチンコ・パチスロ」選択率の低さには、彼らの「テレビゲーム、ソーシャルゲーム」の利用状況が影響している可能性が指摘できる。

<「競馬・競輪・ボートレース」とはほぼ互角>

 また射幸性という点から、公営競技(競馬・競輪・ボートレース)との選択状況の差を確認すると、図表1の全体集計においては、その差はわずかに0.2ポイントで、「パチンコ・パチスロ」の方が選択率は高いが、これはほぼ互角と解釈して問題ないだろう。年代別では図表3から、30代男性において公営競技の方が4ポイント高くなっており、先ほど指摘した「テレビゲーム、ソーシャルゲーム」と共に30代男性の「パチンコ・パチスロ」選択率が伸びない理由の1つとして指摘するこtができる。射幸性という点での共通性を考えると、公営競技の影響は決して小さいものではないと考えられるが、40代になると逆に「パチンコ・パチスロ」が公営競技を2ポイント上回ると共に、「テレビゲーム、ソーシャルゲーム」の選択率が30代と比較して8.5ポイントのダウンとなっていることから、やはり「テレビゲーム、ソーシャルゲーム」の選択率が30代、40代の「パチンコ・パチスロ」選択率に影響を及ぼしてるように思われる。

<まとめ>

 「パチンコ・パチスロ」は“大衆娯楽”と表現されることが多いが、今回の調査結果、すなわち「年末年始休暇における余暇行動」としてはその言葉ほど、回答者からの支持を得られなかった印象を抱く。特に「スーパー銭湯」「映画館」との比較結果は、“身近な遊び”としての「パチンコ・パチスロ」が、回答者にとってやや遠いものとなっている感がある。サウナブームを背景に「スーパー銭湯」が人気を博するのは理解できるが、それほど身近に存在する施設ではないし、「映画館」については今やインターネットによる映画配信サービスも充実しており、自宅でのんびりをこれを鑑賞することができる。つまり、「スーパー銭湯」や「映画館」については、その利用に「ちょっとしたハードル」が存在する。
 一方で、「ふらっと」立ち寄ることのできる「パチンコ・パチスロ」はその点で利便性は高い。しかしながら、それでもなお、選択率がこれら2つの施設を下回ったというのは、今回の調査からは見えてこない何か理由によるものだろう。これらについては費用面や複雑化するゲーム性などを想像することはできるが、いずれにせよ年末年始休暇中の余暇行動として、「目に見えないハードル」の存在が感じられる調査結果となった。

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