21日後・稼働安定度レポート
対象機種:2021年9月21日リリース機(パチンコ)
2021.10.12 株式会社ワールド・ワイズ・ジャパン 市場調査部
9月21日リリースの4機種のリリース3週間終了時点での稼働安定度レポート。本文において使用したデータは文末に掲載している。
機種別遊ばれ方レポート2021年10月5日号でもご紹介したが、9月21日リリース機(パチンコ)はいずれも「甘デジ」で、「PA乗物娘N-K YT200」(以下「乗物娘」)、「PA FAIRY TAIL2 JWA」(以下「FAIRY TAIL」)、「PモンキーターンV GC250A」(以下「モンキーターン」)「PA遠山の金さん2 遠山桜と華の密偵JWD」(以下「金さん」)の4機種となっている。前回のレポートでは「乗物娘」に稼働の安定感があることを指摘した上で、「甘デジ」ファンが「319ミドル」のような勝ち額にこだわっていない可能性を指摘した。今回は、これらの機種が導入後3週間(21日)を経過した現状における遊ばれ方の現状をまとめる。
まず、稼働安定度は4機種中で唯一「乗物娘」が「B+」(やや安定)となったが、その他3機種はいずれも「C」(不安定)となっており、今後の稼働推移については「乗物娘」が恐らく最も堅調な動きを見せるものと推測できる。「FAIRY TAIL」「モンキーターン」は共に1万発以上を保っているものの、稼働安定度が「C」にまで下降していることから、ホールとしてはある程度遊びやすい状況を保っておきながら推移を注視する必要がありそうだ。
最もアウトが低い「金さん」は4機種の中で「勝ち額」が最も大きいことは前回のレポートでも示したが、「勝ち率」が最も低く、プレイヤーからは「勝ちにくい甘デジ機」という評価に至った可能性が指摘される。データを確認すると、興味深いことに「金さん」の負け額は他の3機種よりも小さいのだが、「負け率」が73.6%でトップになっていることから、同様に「勝ちにくい」という印象を与えているものと考えられる。なお、「負け額」が小さい点については、当該機の「勝ち額」の大きさをプレイヤーが十分に実感しておらず、リスクとリターンのバランスが正しく理解されておらず、プレイヤーの遊技に「粘り」がないと見ることもできる(「60分以上遊技者比率」は14.8%と4機種中では最も低い)。
9月21日週リリースの4機種の「甘デジ」の中で最も堅調な動きを見せている「乗物娘」の特徴を遊ばれ方からまとめると、「勝ち額は平均で5,000円に満たないが、勝ち率が40%以上に達していることから『勝ちやすそう≒遊びやすそう』な印象をプレイヤーに抱かせている」と表現することができる。
ASOBARE_20211012
(補足1)本レポートにおける稼働データはSUNTAC社「TRYSEM」の週間客数データを使用
(補足2)1人あたりアウト構成比(%)= 1人あたり平均アウト / 機種平均アウト × 100 :1人のプレイヤーが占める平均アウトへの影響を確認するための指標。多くのプレイヤーにより機種平均アウトが形成されている場合、1人あたりアウト構成比は低くなり、対象機種での遊技をやめた場合の機種平均アウトへの影響が少ないため安定感がある。
(補足3)本レポートにおける稼働安定度指標(パチンコ・1人あたりアウト構成比)=11%以下:盤石、11%〜13%未満:安定、13%〜15%未満:やや安定、15%〜17%未満:やや不安定、17%以上:不安定