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機種別遊ばれ方レポート 2021年9月22日号

機種別遊ばれ方レポート

「デビルマン疾風迅雷」リリース直後の高速出玉系319ミドルマーケットの変化

2021.9.22 株式会社ワールド・ワイズ・ジャパン 市場調査部

 「P 牙狼 MAXX-MC」(以下「月虹」)と「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーンb」(以下「ユニコーン」)が高速出玉系319ミドルの軸となっている中、ニューギンから「Pデビルマン疾風迅雷S-X1 YT959」(以下「デビルマン」)が9月6日週に登場。高速出玉系319ミドルのマーケットサイズがこれによりさらに拡大するのか、それとも「月虹」「ユニコーン」「デビルマン」の3者による顧客争奪戦となるのか。今回はこの点を踏まえて最新の319ミドルマーケットにおける遊ばれ方をレポートする(補足1)。なお、9月6日週には319タイプでは「Pキャプテン翼2020NL」(以下「キャプテン翼」)もリリースされているため、必要に応じて本文中で触れることにする。また、本文に関するデータは文末にまとめて掲載しておく。

<2週目に入って「デビルマン」の遊ばれ方の変化が目に付く>

 「デビルマン」がリリースされたことによる「月虹」「ユニコーン」の遊ばれ方の変化を確認してみると、「デビルマン」がリリースされた9月6日(ちなみに319タイプでは「Pキャプテン翼2020NL」もリリースされている)以降、「月虹」「ユニコーン」共に、長時間遊技者比率がダウンし、短時間遊技者比率が上昇するというリリース後の日数経過に伴う典型的推移を見せている。9月6日週以前の変化と比較して「デビルマン」がリリースされたことによる極端な遊び方の変化は生じていないと見るべきだろう。

 むしろ、「デビルマン」の登場週から2週目にかけての長時間遊技者比率が極端な右下がりとなっている点が注目される。「デビルマン」が記録した登場週における長時間遊技者比率28.8%は「ユニコーン」の27.0%を上回っていることから、急激な減少はその反動という見方もできるが、2週目以降はリピーターが増えることからプレイヤーの反応が変化し始めた可能性もあり、引き続き注視しておきたい。

 また、「デビルマン」については短時間遊技者比率においても同様の傾向を示している。2週目にかけて短時間遊技者比率が急激に上昇している。まだ、現在の「月虹」「ユニコーン」よりも比率は低いため、数値としては良好なのだが、登場週からの上昇(悪化)傾向は少々気になるところである。

<平均遊技時間の変化>

 1人あたりの平均遊技時間を、「デビルマン」登場前の8月30日週と登場後2週目の9月13日週と比較すると、「月虹」は1.1分のダウン、「ユニコーン」は1.6分のダウンとなっており、僅かながら影響はあるものの極めて軽微な影響と判断して良さそうだ。ここでも「デビルマン」は登場週から2週目にかけてのダウン幅が大きく目に付くが、登場週の平均遊技時間は52.1分と「ユニコーン」の最高記録である50.2分(8月9日週に記録)を上回っていることから、これが急激な失速かを判断するには後述する稼働安定度(1人あたりアウト構成比:補足2)等も判断材料に加えて考えたい。

<デビルマンの登場週稼働安定度は「磐石」に届かず>

 「デビルマン」は高速出玉系319ミドルであることから「月虹」「ユニコーン」を好むプレイヤーのシフト先の候補と考えれ、高い稼働安定度を誇る2機種に対して戦いを挑む格好となった。稼働安定度の指標となる1人あたりアウト構成比の推移を見てみると、「デビルマン」は登場週が12.7%、2週目が12.9%とやや高めのレンジからスタートしていることが確認できる。2週目時点での評価は「安定」となっているが、あとわずかで「やや安定」にランクダウンするという値を示しているだけに気に掛かる(補足3)。「月虹」「ユニコーン」が共に10%前後でスタートしていることと比較すると違和感を覚える。

 また「月虹」「ユニコーン」が9月13日週に前週比で1人あたりアウト構成比をわずかに好転させている点も特筆される。一時的に「デビルマン」あるいは「キャプテン翼」にプレイヤーが移動した可能性が当然考えられる中で、彼らが2週目に戻ってきたという可能性が考えられる。データの掲載は割愛するが、平均遊技人数は「月虹」が7.6人から7.9人に増加、「ユニコーン」は10.3人から10.7人に増加している。

 ここまでほとんど触れなかった「キャプテン翼」だが、登場週の1人あたりアウト構成比は14.0%で評価は「やや安定」。2週目には一気に18.0%まで悪化して「不安定」な状態にある。登場週の1人あたり平均遊技時間は43.0分で「デビルマン」よりも9.1分短い。機種特性の違いはあるものの、今のミドルスペックのマーケットは「高速出玉系」に特化したモデルが優位という主張の裏付けデータとなりそうだ。

<話題の新機種に触発される同型先発機>

 今回の分析において興味深いのは、「デビルマン」がリリースされた9月6日週において、先発の「月虹」と「ユニコーン」の長時間遊技者比率がリリース直前週と比較して好転している点だ。これは短時間遊技者比率、平均遊技時間についても同様の動きを見せている。新台入替時の顧客動員が影響している可能性もあるため、他のスペックを含めた総合的な新台入替効果として改めて機会を設けてレポートしたいが、差し当たって、このようなデータがあることも押さえておきたい。

(補足1)本レポートにおける稼働データはSUNTAC社「TRYSEM」の週間客数データを使用

(補足2)1人あたりアウト構成比(%)= 1人あたり平均アウト / 機種平均アウト × 100 :1人のプレイヤーが占める平均アウトへの影響を確認するための指標。多くのプレイヤーにより機種平均アウトが形成されている場合、1人あたりアウト構成比は低くなり、対象機種での遊技をやめた場合の機種平均アウトへの影響が少ないため安定感がある。

(補足3)本レポートにおける稼働安定度指標(パチンコ・1人あたりアウト構成比)=11%以下:盤石、11%〜13%未満:安定、13%〜15%未満:やや安定、15%〜17%未満:やや不安定、17%以上:不安定

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図表は拡大表示が可能です。

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