正月営業といえば、なんとなくプレイヤーの財布の紐が緩んでくれそうなイメージがあるが、果たしてそ れは本当なのだろうか。
今回我々は、SUNTAC 社製のホールコン(差分コンピュータ対応)がアウトプットする統計情報サービスTRYSEMの週間客数データを利用して、2023年12月にリリースされたパチスロ新機種の1月1日~1月7日までの1週間の「客単価」を独自に算出してみた。誤解のないように説明しておくと、ここでいう「客単価は、1台あたりの「客単価」であり、プレイヤー1人が1日に消費する金 額ではない(台を移動して遊技することもあるため)。
客単価 = 台売上 ÷ 平均遊技人数
TRYSEM では週間客数データにおいて、機種別の実際の平均遊技人数 をアウトプットしているので、上記の数式から機種別の「客単価」を求めることが可能となっている。
さて、下記の表は各機種の登場週から(集計締切週まで)の各週の「客単価」である。表中で太文字表記されている部分は、各機種の1月1日~1月7日に該当する週を意味する。また、その週の直前週までの平均「客単価」も比較しやすいように併記した。
ご覧いただくと、1月1日~ 1月7日まで週(つまり正月期間該当週)の「客単価」は、直前までの週の平均「客単価」を僅かに下回った機種が大半となっており、プレイヤーが1台に対して使用する金額は、正月期間中だからと言って増えないということが確認できた。
無論、仕事が休みの人も多く、遊技時間が長くなりやすいことから、別の台で継続して遊ぶことも考えられるため、1日の個人消費金額が増加している可能性は否定できないが、1台に対してプレイヤーが使用する金額が増加しているわけではないということはデータから確認できる。
よって、正月期間中の売上増は、普段よりも多くの他の台へ移動したり、あるいは普段よりも期間中の来店頻度が高くなったプレイヤーの影響を受けた結果と言え、別の表現をするならば「延べ客数」の増加ということができそうだ。プレイヤーは大型連休中だからと言って浮かれているわけではなく、普段とほとんど変わらない(あるいは若干慎重な)スタンスで台と向き合っているようだ。
240131_01