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URAZUKE-Report 調査報告:公営競技への電子マネー導入に対する世論の反応

 2023年12月4日、東京シティ競馬は大井競馬場に馬券購入のための電子マネーとしてPayPay を導入した。公営競技やぱちんこ等へ電子マネーを導入することに対しては、ギャンブル依存が広がるという懸念を指摘する声がある。そこでワールド・ワイズ・ジャパンは本件に対する緊急アンケートを実施し、現段階における世論の反応を確認した。今回のアンケート調査に際して、ある程度の批判的意見の存在を前提としていたが、その結果は実に意外なものとなっている。
 このレポートでは、大井競馬場における電子マネーを使った馬券購入の実現に対する一般世論の反応を深掘りしていく。

大井競馬場における電子マネーによる馬券購入の現状

 まず事実関係の整理をしておきたい。東京シティ競馬(TCK)では、2023年12月4日より大井競馬場内に設置されている現金投票端末にQRコード決済機能を追加し、「PayPay」によるキャッシュレス決済で勝馬投票券購入が可能になった。現金投票端末におけるQRコード決済導入は公営競技初ということだ。これまで、大井競馬場での勝馬投票券購入は現金のみ(一部を除く)となっていたが、キャッシュレス決済の普及状況を踏まえ利用者の利便性向上を図るため、競馬場内の現金投票端末(一部)にQRコード決済機能を追加。QRコード決済市場における決済取扱高・決済回数シェア1位の「PayPay」でのキャッシュレス決済が導入された。対応端末はL–WING1階パドック側(101B投票所)の投票端末全18台。操作画面左側にQRリーダーが搭載されている機器が対応端末となる。なお、「PayPay」マネーライトやクレジットカードでの購入はできない。また、的中した勝馬投票券は現金で払い戻されるため、完全にキャッシュレスになったというわけではないという点も押さえておきたい。

緊急アンケート 「大井競馬場でPayPayによる馬券購入が可能になったことをどう思うか」

 このようにして実現した公営競技初の電子マネーによる馬券購入だが、冒頭述べた通り、「電子マネーによる馬券購入の利便性向上=ギャンブル依存拡大」と考える人たちもいる。早速、ネット上では「SNSでは賛否両論」というような記事も散見されるが、果たして実態はどうなのだろう。
 ワールド・ワイズ・ジャパンでは2023年12月7日にインターネットアンケートを利用して、20代から60代の男女1,000名に緊急アンケートを実施。「賛否両論」と報じられている現状について確認作業を行った。
 調査結果は図表1として掲載しているが、目立つ点は次のとおりだ。

・意外にも半数近くが、良くも悪くも思っていない(特に感想を持っていない)
・肯定派が否定派を大きく上回っている

 アンケート結果は、回答者の半数近くが競馬場で電子マネーで馬券を購入できるようになったことを良くも、悪くも思っていないことを示しており、「電子マネーによる馬券購入の利便性向上=ギャンブル依存拡大」と考える人は少数派であることが判明した。次に、少数派であるものの、どの程度少ないかという点については、こちらも図表1が示すとおり、むしろ利便性向上を肯定的に評価する声が否定派の6倍程度多く、今回の調査結果を見る限り、大井競馬場への「PayPay」導入がギャンブル依存を加速させるかどうかについて「賛否両論がある」という表現は、事実を示すものではある一方で、少々誤解を与える表現にも思える。

電子マネー決済とギャンブル依存の関係性は薄いとの見解が約62%(※)を占める ※最初の設問で無関心だった回答者を除く

 次に、さらに回答者にダイレクトにギャンブル依存との関係性について追加質問を行なった結果をご紹介しておく。最初の設問で「何とも思わない」と回答した人を対象買いとして、少なからず意見があると思われる508人を対象とした追加質問である。アンケートの設問は、「電子マネーで馬券を買えることは、ギャンブル依存に影響すると思いますか」というもので、全体の38.0%が「ギャンブル依存が増える」または「ギャンブル依存が少し増えると思う」と回答。驚くべきことに、62.0%の回答者が「ギャンブル依存に影響しない」または「ギャンブル依存にはほとんど影響しないと思う」という見解を示している(図表2参照)。
 特に「ギャンブル依存が増えると思う」(14.8%)を「ギャンブル依存には無関係だと思う」(22.2%)が上回った点は興味深い。この結果は、「PayPay」のような電子マネーの導入が必ずしもギャンブル依存の増加に直結するわけではないという考えを示唆している。電子マネーによる支払いが便利さを提供する一方で、その利用に対する意識や制御の必要性については、このような調査結果や競馬ファン、関係者からの意見も踏まえて、客観性と公平性をもって議論されるべきというのが、今回のまとめとなる。

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