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【寄稿】Bluetoothの利用状況調査(月刊シークエンス2025年3月号)

 無線通信の規格のひとつで、近距離の機器同士をケーブル接続せずに接続できる技術であるBluetooth。パチンコ業界では2023年12 月にリリースされた「推しスロ アイドルVer.」がこの技術を利用して、プレイヤーがイヤホンにより、雑音のない中で楽曲を楽しみながら遊技するというプレースタイルを実現している。今回は、今後の遊技機市場におけるBluetoothの活用を踏まえて、現時点でのBluetooth利用状況について、20代から60代の一般男女を対象に調査を行った。

Bluetooth利用率は 20 代で6割前後

 今回の調査は2025年2月15日に実施したもので、全国の男女1000名を対象にBluetoothの利用状況を調査したものである。回答者の属性情報は図表1として掲載しておく。

 最初の設問は「あなたが日常生活で使っているIT関連機器をすべてお選びください」とした。回答選択肢は次の通り。(1)ICカード (2)生体認証 (3)Bluetooth (4)スマホでの支払い(5)地図アプリ (6)この中にない。
 この中で、Bluetuuthについての回答結果をまとめたものが図表2となっている。

 

 年代別にご覧いただくと20代では約6割が日常生活においてbluetoothを利用してい ることが確認された。男女別では僅かに男性の方が利用率が高い。30代についても同様だが、利用率は58.0%と20代よりも3ポイントダウンしており、この傾向は高齢化するに従って顕著なものとなっている。例えば60代では利用率は 23.0%にまで低下しており、20代の利用率と比較すると38ポイントもの大幅ダウンとなっている。さらにこれを60代女性に限定すると、その利用率は僅かに16.0%。これらは後述するが、Bluetooth全体の利用状況であり、ワイヤレスイヤホンに限定した話ではない。パソコンのマウスやキーボード、あるいは自動車運転中の通話機能などを含めたものであり、音楽を楽しむことに限った場合は、さらに利用率が低下するものと考えられる。遊技機に本機能を搭載する場合、まずは若年層が中心となってその利用が普及するものと推測される。

Bluetooth利用目的は「音楽を楽しむため」が 圧倒的トップ

 次に、これらBluetooth 利用者が、どのように日常生活においてこの機能を利用しているかについて確認した。Q2は「あなたはどの ような場面でBluetoothを利用していますか。該当するものをすべてお選びください」とした。回答選択肢は次の通り。(1)スマホとヘッドホンやイヤホンを繋いで音楽を楽しむ (2)テレビとスピーカーを繋いで音楽や映像を楽しむ(3)スマホとカーナビを繋いで運転中も電話をできるようにする(4)パソコンとマウスやキーボー ドを繋いで作業環境を良くする(5)この中にない。
 回答結果は図表3として掲載している。

 最も利用している場面は(1)の「スマホとヘッドホンやイヤホンを繋いで音楽を楽しむ」で、Bluetoooth利用者全世代平均で61.1%がこれを選択。特に20代 では87.7%と高い値を示している。なお、この利用方法は40代に なると50%を下回り始め、60代で は28.3%にまで低下している。また(2)の「テレビとスピーカーを繋いで音楽や映像を楽しむ」に関しても〝音楽を楽しむ〞という点では(1)と同じだが、遊技機に搭載するBluetooth機能を前提に考えるならば、(1)の集計結果が参考となるであろう。また図表3からは、Bluetoothの利用状況として(1)のケースが圧倒的に支持されており、現在は〝音楽を楽しむ〞ことを軸として、Bluetoothが普及しているものと考えられる。

Bluetoothイヤホン市場について

 このようにして利用されているBluetoothイヤホンだが、これはアンケート結果だけでなく、Blue toothイヤホンの市場規模からもその利用状況を捉えることができる。少し前のデータになるがご紹介しておく。  富士キメラ総研が2020年5月27日に発表した資料「2020ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」によると、ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンの世界市場は2019年が2億1000万台。 2025年には5億7100万台 (2019年比2.7倍)と予測されている。需要は特定の地域に関わらず増加しており、日本国内では2019年が1300万台で前年の約1.6倍に拡大したと報告されている。  市場拡大の理由を「コロナ禍でのリモートワークの拡大が大きい」としており、同時に運動しながら音楽を楽しめる(コードが邪魔にならない)点も理由として指摘している。
 また、今後の市場予測としては、 2020年から2027年の期間中、約5.8%を超える健全な成長率を維持すると述べている。このような分析結果を踏まえて今回の調査結果を振り返ると、今 後もさらにBluetoothイヤホン利用は広がりを見せると思われ、パチンコホールでもワイヤレスイヤホンを耳にしながら、遊技を楽しむ人たちは増えることがあっても減ることはないだろう。携帯電話所有者のスマホ比率は 2024年で 97%に達していることからも、これに接続することで簡単にクリアな音楽を楽しめるBlue toothイヤホンは、近い将来、スマホの付属品的位置付けとなる可能性もある。

 スピーカーの前で音楽を楽しむ 時代から、1979年に登場した 「ウォークマン」により有線イヤホンでどこででも音楽を楽しめる時代となり、現在はスマホの普及とBluetoothイヤホンの登場により、 どこでも、何をしながらでも楽しめる時代になった。音楽を楽しむためにスピーカーの前にいなければならなかった時代はすでに終わりを告げている。

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